先週末は3連休だったのですが、来月出走予定だった板橋シティマラソンが中止になってしまい、更に風も強いので走る気が起きず、だらだら過ごしてしまいました。
それでもたらたら固定ローラーでも踏むかと思い、アマゾンプライムで何か見るかなと探したら、「弱虫ペダル」のシリーズ4が全て無料で見られるようになっていました。
シリーズ1~3は視聴済みで、シリーズ4は以前見たときは1話目だけ無料だったのですが待った甲斐がありました。やったぜ!
お話としては主人公が2年生のインターハイのところですが25話全部見てしまいました。なかなか、面白かったです。
ちなみにこの25話合計12時間で、お話的にはほぼレース1日分しか進行しておらずほぼライブ換算の時間経過です。中には300m進むのに1時間以上かかってたりする超絶スロー進行もあったりしました。
この、「弱虫ペダル」は高校の自転車部の設定ですが、その設定がずいぶん実際の高校自転車部とは違うようです。
エンタテイメントとして面白いように変更されていると思いますが、逆に考えるとエンタテイメントとしていけていない部分が自転車競技のどこなのかを考えるヒントになりそうです。
弱虫ペダルにはトラック種目がない
この「弱虫ペダル」の世界にはトラック競技はなく、ロードレースだけをやっているようです。
これは良く理解できて、そのそもなじみのない自転車競技なので視聴者にルールを理解してもらう必要がありますが、そのためには理解する対象となる種目を減らしたいのでしょう。
そうすると沢山種目のあるトラックレースを無いものにしてしまったほうが簡単です。
ポイントレースや4速など絵的に誰がリードしてるんだかよくわからないものもトラックには多いですし、背景が変わらないのは映像的にはよろしくないのでしょうね。
また、ロードでもTTはありません。これも種目削減でルール説明を減らし分かりやすくするためだと思いますし、単独で走っているだけでは競っている感じが絵で出ませんから。
ステージレースである
実際のインターハイからトラック競技を抜いてしまうと、ロードが1日あるだけになってしまいます。しかし、ワンデーレースだけでインターハイが寂しくならないように弱虫ペダルでは3日間連続するステージレースになっています。
それも周回コースでなくラインレースなのでジャパンカップより凄い仕立てです。そりゃ立派で景色も変わったほうがマンガ的にも映えますよね。観客も沢山います。
アニメ内で描かれた実在のコースが聖地化してファンが来てくれるという所在地メリットもあるようです。
自転車競技の中ではケイリンの次にメジャーなのがステージレースのツールドフランスですから、それに似た競技に設定したということでしょう。
時間差スタート、ボーナスタイムなし
これは私重要だと思うのですが、普通のステージレースだと前日のタイム差の影響で二日目以降は走っている順番と順位が違ってくるため、誰が一位なのかタイムを計算しないと分からないという問題があります。
アニメでこの計算させるのもビジーだろうと思ったのか、この弱虫ペダルでは、前日のタイム差に合わせた時間差でスタートするという方式をとっています。箱根駅伝2日目のスタート方法と同じです。
ワンデーレースに二晩休憩が入るようなものですね。
これであれば位置と順位は同じになるので、絵で順位が分かります。
この弱虫ペダルではいつもハンドル投げてリム差の勝負になるのですが、それで盛り上がるのはこのルールのおかげです。
ステージレースに良くあるボーナスタイムも、この位置と順位が一致しない問題を避けるため採用されていません。
このルールでレースしたらどうなるだろうと想像してみたのですが、もし初日に逃げを決めて勝ったとすると、次の日もその状態からスタートできるので、逃げモチベーション高くなるのではないかと。
但し、その分集団が容認してくれないのでハイペースのきついレースになりそうです。平地ゴールだと結局大集団スプリントで決まるのでしょうか?
大き目の逃げ集団なら逃げ切るかもしれませんが、結局その逃げ集団内で最後はスプリント勝負ということになりそうです。
山岳ステージでも結局逃げはできるのでしょうが、有力選手は集団でにらみ合いしてアシスト使って結局捕まえるというのが基本線でしょうね。
山であまり離されてしまうと次の日合流できなくてアシストも出来ないので、あまり力の差がない有力アシストがいることが重要な気がします。
また、平坦ゴールでスプリント勝負になるとしても、前日の山岳でスプリンターが遅れていると集団まで引き戻すのも大変なので、山が本当に苦手なピュアスプリンターはこの時間差スタート式ではつらくなる気がします。
あと、総合順位がステージ成績の積み上げになってくるので、総合は捨ててステージ狙いのチームってのは出ずらくなるので、毎日同じチームが勝って興ざめするかもしれません。
しかし、見た目と順位が一致するのは分かりやすいので結構いいのかもしれません。一度この方式のレースでどうなるか見てみたいですね。